漢方始めました
昨年4月から街中のクリニックで外来をするようになってから、「病気」として診断がつくほどではない程度の心身の不調を訴える方が多いことに気がつきました。
認知療法的なアプローチを試みたり、不眠に対しては睡眠薬、抑うつ的であれば抗うつ薬を出したりしていましたが、しっくり来ないこともしばしばでした。
漢方に興味を持つようになったのは、ある神経質な感じの中年女性と出会ってからです。最初は認知療法的なアプローチから入り、薬も試したいかたずねると試してみたいとの意向だったので、少量の抗うつ薬から始めてみました。しかし薬に敏感で、最小量の半分しか飲めませんでした。認知再構成は多少、役に立っていそうだったので、そちらで進めてみようかと思っていたら、「実は本で読んだのですが・・・」と漢方の処方を希望されました。聞いたことのないものでしたが、薬の本で症状と合っていることを確認した上でお出ししたところ、なんと非常によく効いたとのことでした。
これに気をよくして、今度は妻に飲んでもらったところ、これまたよく効きました。しかも、翌日には変化を感じ、その次の日には早くも効果をはっきりと自覚したそうです。
(上記の症状や薬の名前は伏せています。あしからず)
今度は自分で試す番です。加味帰脾湯はあくびが出て脱力して「何とかなるわ~」という感じがしました。補中益気湯は活気が出るけれども急きたてられてちょっとしんどいな、という感じでした。しっくり来なかったので妻にお腹を触ってもらったところ、肋骨の下を押すと痛みを感じる「胸脇苦満」という症状があったので、教科書的には柴胡剤の適応として柴胡桂枝湯から試しているところです。右の肋骨の下というと肝臓であり、以前、脂肪肝を指摘されたことがあるのと関連しているかもしれません。
今は下記のような本を読みあさりながら、「あの人にはこの薬が合うかな?」などあれこれ考えている今日この頃です。
「不思議に劇的、漢方薬」のシリーズ 益田総子
「漢方診療のレッスン」 花輪壽彦
「漢方実用全書」 丁宗鉄
「本当に明日から使える漢方薬」 新見正則

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