昨日は宇治おうばく病院主催のメンタルヘルスセミナーに行ってきました。参加者はかなり多くて、200人ぐらいでしょうか。
まずは産業精神保健のプロフェッショナルである島悟先生による1時間の概説がありました。メインテーマはうつ病による休職と復職でした。内容は多岐にわたっていましたが、印象に残った点は以下の通りです。
・だいたい休職者の7~8割が復職し、そのうち1年以上、休職なしに継続できるのは7割ぐらい。休職が重なって3回目になると、復帰が困難になる
・多方面からのケアの中でも、ラインケア(上司の部下への配慮と支援)が特に痛んでいる(管理職の加重の増大による)
・メンタルヘルスに関する取り組みとしては、聞き取り調査が重要であり、それ自体に効果がある。手間暇をかける価値がある。
・臨床的に復職可能と思われてから1ヶ月程度おいて復職すると、ちょうどタイミングがあう
内容は盛りだくさんで、もっと時間があれば、と思いました。
その後は事業所のさまざまな職種の方々から10分ずつのトークがあり、ディスカッションがありました。やはり主治医と連携が取りにくい(診断書に一行だけ「復職可能」と書いてあるのがほとんど、主治医は守秘義務があるので情報を提供しにくい)のが話題に上っていました。私自身、経験は少ないのですが、事業者側から連絡を受けることは稀ですし、もっとやりとりができれば、と思います。制度化されればこちらもやりやすいのですが。
宇治おうばく病院では、駅前のクリニック、20床弱のストレスケア病棟、復職デイケアがそろっているとのことで、見学に行かせていただきたいと思いました。
その後は、知り合いのケースワーカーさんとEAP(従業員支援プログラム、従業員の健康のサポートをする。最近はメンタルヘルスが主)の方とおしゃべりしました。「EAPは人事のアウトソースですね」という言葉が印象的でした。このあたり、精神科医としては保健診療外のビジネスチャンスかな、と思っています。
全体を通して感じたことは以下の2点。
・まずは自分が抱えているケースをケースカンファでよく検討する必要がある。他の機関との連携も必要。
・病院職員に対するメンタルヘルス向上への取り組みがほとんどないのは問題。離職率が高い原因かもしれない。
それ以外にも面白そうな話は来ているのですが、本業が疎かにならないよう気をつけます。
最近のコメント