2018年4月21日 (土)

江副浩正

福祉の世界で活躍されている方がリクルート出身であることを偶然お聞きしました。

「リクルートといえば、多くの人材を輩出している企業ですよね。いつごろおられたのですか?」と尋ねると、いくぶん複雑な表情で、「1980年代の後半、江副さんが変節していく様子を目の当たりにしました。リクルート事件にも遭いましたしね。」とおっしゃいました。

リクルートのことをよく知っている訳ではありませんが、不思議な会社です。ロッキード事件とならぶ巨大な収賄事件でその名を知られながら、企業イメージは地に落ちることはありませんでした。今なお人材育成に優れたフレッシュな企業というイメージを維持しています。。

この本を本屋で手にしたら、面白いのなんので、目の前の仕事を放り投げて一気に読み切ってしまいました。

この本で興味深かったのは以下の点です。

・インターネットの前に「情報化社会」を具現したのがリクルートという会社である:

リクルートの最大の貢献は、労働市場と住宅市場という二つの閉鎖的な領域において、情報を収集・選択・加工して提供したこと。

結果として、情報弱者であった個人をエンパワーし、組織と個人との力関係を一変させた。

紙媒体からネットへの移行はこの動きを加速したが、リクルートはそれを30年前に先取りしていたと言える。

また、「情報化社会」の「情報」とは、主にモノではなくヒトに関する情報であり、成功のカギとなるのは、人の心理に関する知識と洞察である。

リクルート発展のカギとなったのは江副氏の人心掌握術であるし、初期の発展に貢献したのは、心理学に裏付けられた人格テストを採用試験に提供したことである。

・江副氏の栄光の輝かしさと転落の闇のコントラストが、あまりに鮮やかである。前者が面白いのはもちろんだが、後者も味わい深い。
一方、江副氏が離れた後も、リクルートは自律的な発展を続けた。その核は江副氏が植え付けた企業文化である。

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2017年12月31日 (日)

反脆弱性-不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

日本語の副題が橘玲の「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」にそっくりですが、原題は"Antifragile: things that gain from disorder"です。

タレブの前作「ブラック・スワン」はベストセラーになりました。「白鳥は全て白い」という命題は、たった1羽でも黒い白鳥が存在すれば覆されます。それぐらい、過去に例がない事象が大きな衝撃を与えることを「ブラック・スワン」と呼びます。通常、ランダムな事象は正規分布で生起すると考えられますが、地震などの自然現象や金融危機は、べき分布の方がよりよく記述できるのです。

「ブラック・スワン」に対処する方法として、タレブは「反脆弱」という概念を提唱します。
「脆弱」の反意語は「頑強」だと考えられていますが、タレブは「頑強は変動性に対してニュートラルであるに過ぎない」と否定し、変動性によって積極的に利益を得る性質を「反脆弱性」と定義します。(どの言語でも、「反脆弱」という意味の単語はないそうです!)
金融で言えば、コール・オプション(ある物を買う権利)は、損は限定的、利益は無限、という非対称性があります。これだと、ボラティリティ―が高いほど、利益が膨らみます。
(私がそれを瞬時に理解できたのは、以前、プット・オプションを買わされて痛い目に遭ったことがあるからですw)
この「反脆弱性」を金融以外のさまざまなフィールドに拡張したのがこの本です。この世の事象を「脆い」「頑強」「反脆い」の3つに分類しています。ブラック・スワンは予測できない、でも、ブラック・スワンが起きても壊れにくい、さらにはブラック・スワンを新たな創造のチャンスとできるシステムを組むことはできる、というのがこの本の趣旨です。
"Antifragile"が私の中で響いたのは、基礎研究から臨床医への転向を最もシンプルに説明しているからです。
研究者というのは「脆い」です。専門は極めて狭く、その分野の旬が過ぎてしまうかもしれません。理系の研究には機械や試薬が必要で、分子生物学のラボなら、人件費以外の研究費が年1000万でもカツカツでしょう。今は任期制の職が多くなっていますし、たとえパーマネントの職が得られたとしても、研究費が切れれば研究は続けられません。定年を迎えれば、ほとんどの研究者が再就職先を見つけることができず、「ただの人」になります。
私が30歳を過ぎて、「これから成果を出したとしても、せいぜい行けるのはこれぐらいだろうな」というのが見えた時点で、プット・オプションと同じ状況だった訳です。
それに対して、精神科医というのは「反脆い」です。指定医があれば、日本全国、どこでも食べて行けますし、忙しくてもいい、田舎でもいい、といった条件を飲むなら、かなりの収入を得ることができます。年老いたり、病気になったりしても、細々と仕事を続けることができます。
そもそも、精神科医という存在がmental disorderをメシの種にしているわけで、"things that gain from disorder"です。私は「反脆い」引き算的な治療が好きです。

ただ、良いことばかりではありません。自分の立場を持ち上げるために有名な他者をこき下ろす書きぶりは、繰り返し出てくると鼻につきます。「医原病」に関する議論は、医師にとって新しいものではないし、「脆いー反脆い」の構図で解決するものではなく、それを強いる社会構造を考察しなければ対策は出ないでしょう。正直、下巻は読むのが苦痛でした。

「脆いー反脆い」の軸は有用な枠組みで、あとは、読者がそれぞれのフィールドで取捨選択を考えるべきものでしょう。

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2017年10月21日 (土)

サカナクションライブ みたび

今年のツアーで3度目のサカナクションのライブ、大阪城ホールで、世界でも類を見ないというサラウンドです。

ガラケーの私は、会場でプレミアム席のチケットを受け取ると・・・なんと、Aブロックの1番でした!といっても、スタンディングだし、プレミアム席は(最も音が良いという)ホールの中央に位置していたので、ステージから近い訳ではありませんでしたが。エリアは広めで、踊りやすかったです。

たしかに音は良かったです。音ズレは全く感じず、ハウリングもほとんどなく、一郎さんの煽りもしっかり聞き取れました。もちろん、いつものように低音もビシビシ届いて、服が震えていました。ことさらサラウンドを強調するような演出は一部に限られていたのは、ストイックさ(サラウンドは手段としての技術であり、目的ではない)を感じます。

最初の5曲で体を温め、シーラカンス~壁~ユリイカ~ボイルで見せる/聴かせる、その後も基本は踊り、聴かせる曲を適度に挟む、という構成の意図がよく分かりました。あとはあれこれ考えずに体を委ねると、足は自然にステップを刻み、手は宙に揺れる、という感じでした。

今日がツアー最終日ということもあってか、MCも軽やかで、「みんな新曲、絶対売れないと思っただろ?」「ぶっちゃけ、会場は1年2年前に押えて、今回のツアーは前半がシングルツアー、後半アルバムツアーのつもりだったけど、アルバムが間に合わなかった」「アルバムはシングルを集めた1枚と、全く新しい曲で1枚、2枚組にしようとビクターに言ったら、別々に売りましょう、契約であと2枚残ってるんで、って言われた」みたいな話が次々に出てきました。

今年のライブは今日が最後、しばらくはアルバム制作に専念する、という話を聞き、余韻と名残惜しさを感じながら会場を後にしました。

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2017年6月19日 (月)

皇居から表参道

2015年4月9日の記事のコースを、今年の3月に再体験しました。今度は歩きです。

皇居の西側に最高裁があり、その隣のホテルに宿を取りました。夕方にイベントが終わり、地下鉄の国会議事堂駅からスタートです。

国会議事堂の周囲を一周。警官が多い。道がやけに広々している。拡声器で何かがなっている人がいるが、話は明らかに脈絡がなく、専門用語で使えば連合弛緩といえるだろう。

国会議事堂の隣に議員会館。個性のないビルが聳え、黒塗りの車がひっきりなしに出入りしている。その隣に首相官邸。

議員会館横の坂を下っていくと、右手に日比谷高校。左手の日枝神社を巻くようにして赤坂にたどり着く。キャピトルホテル東急、安部首相はここのパイコー麺がお気に入りのようだが、まだ空腹ではなかったのでパス。もう一つそびえるプルデンシャルタワー、ここはホテルニュージャパンがあったところなんですね。首相官邸のすぐ傍であの大火災があったわけだ。

赤坂見附方向に進む。ふと雑居ビルを見ると、赤坂メンタルクリニックの名前が。メンタルの世界ではブランドのクリニックです。その向かいにそびえる東京ガーデンテラス紀尾井町、その前の堀に釣り堀が。首都高と合わせて、奇妙な光景。このビルは、前は赤坂プリンスだったんですね。昔、ここでとろろ蕎麦を食ったなー。蕎麦があれば食べたかったが、こういうビルの漂白された感じに馴染めず退散。向かいにホテルニューオータニ。親戚の結婚式で泊ったことがあるかもしれない。

赤坂のラーメン屋で腹を満たしてから、ひたすら246を西に。外苑西通までは暗め。あとは歩きなれた土地で、普通かな。

日本の権力が集中している場所を歩き、そのエネルギーをなんとなく感じた旅でした。




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2017年6月17日 (土)

サカナクションライブ 再び

サカナクションのライブに行ってきました。今度はホールです。

スマホを持たない私は、会場でチケットを受け取って初めて席を知りました。2階席の中央、ステージからやや遠いものの、全体が見渡せて、それはそれで良いです。2列前には、恰幅の良い金髪の男性が。後で片山正通さんだと知りました。
始まってしばらくすると・・・尿意が・・・汗をかくと思って事前に水を飲みすぎたのが失敗でした。アンコールまで間に合いましたが、やや集中力を欠いたかも。
前半盛り上げて、中盤で聴かせて、後半で踊るといういつものパターンで、特に印象的だったのはユリイカのアートワークでした。ただ、視覚に重きを置く分、楽曲への意識が薄れるきらいも。上京の寂しさを体験した一人として、ユリイカは好きな曲でもあるので。
10周年ツアーということでMCが多めでした。いつもながら、一郎さんのサービス精神には頭が下がります。エゴサーチで見つけた批判的な意見を紹介したり、家族と京都の関係を話したり、ファンのハートを掴むのが上手ですね。くじで曲を決める演出は、ホントにできるのかな?と疑り深い私・・・
ラス前では新曲を披露。わりと80年代の歌謡曲の感覚があるかな。
初期の曲もやりつつ、新たな方向性も示すという、10周年にふさわしい構成だったと思います。鬱屈を抱えた青年を脱皮して、いろいろな楽しみを覚えた大人の歌や演出を、ということになるでしょうか。
一方、音響の限界も感じました。私は耳が繊細な方で、会場の前方だと音圧がきついです。今回は後方だったので音量は適切で、低音もきっちり届いていました。ただ、音がよく聞こえる分、ボーカルの一部が軽くーーたとえて言うなら、セカオワのボーカルのようにーー聞こえました。これがサラウンドでどれくらい違ってくるのか、10月の大阪城ホールが楽しみです。

私も人前で話す機会が増えてきました。サカナクションのように良質なエンタメからは、技はもちろん、完成度を求める気迫、そして聴衆に対する感謝の念をお手本にしたい、とつくづく感じるライブでした。

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2017年3月 4日 (土)

サカナクション ライブ〝多分、風” (ネタバレ注意)

先週末に行ってきました。

Zepp Osaka Bayside、USJの隣の駅の新しいライブハウスです。17時開場で16時前に着きました。駅前にはホント何もない!ジュースの自販機と、ベビーカステラの屋台だけ!とりあえず会場に行き、タオルを買います。前に陣取りたいファンたちは、長袖シャツの上にサカナクションのTシャツ姿で待ち構えています。
一人で待っていても退屈なので、駅の逆方向にある天保山渡船乗り場に。向かいに天保山の観覧車が見えて、うららかな景色。そんなに時間はなかったので、渡りませんでしたが。
開場20分ぐらい前に戻ると、すごい人の列。ライブハウスといっても、キャパは3000人近くです。これだけ人を集めるのはすごい、と単純に思いました。私は整理番号が500番くらいだったので、わりと前に並べました。そんな会場前の様子を、目つきの鋭い業界人風の人が観察しています。後で確かめたら、プロデューサーの野村さんでした。
17時をだいぶ過ぎてから開場、真ん中あたりに陣取り、ひたすら待つ。こんな時って、あまり隣の人と話そうという気にはならないな。ライブ以外の印象が残るのが嫌、ってのがあるんだろうな。ビデオカメラが数台あり。今日はAmeba TVで生中継するんですね。
新宝島で始まり、序盤は盛り上げ。このあたりは、だいぶデフォルトっぽい感じはする。メロウに落としたところで「流線」。アコギで始まり、徐々に分厚いサウンドに。最後は低音の振動で服がビリビリ響いていました。ユリイカの演出は、ライブハウスでもできるようにと考えた演出でしょう。縦ノりしたのはアドベンチャーだったかな?「多分、風」では会場内に風が吹く演出。会場の人熱れや汗の臭い。こういうのは、ライブじゃないと体験できないよね。
アンコールのMCでは、Ameba TV生中継の話も出ていました。25万人が視聴してると!それを生で体験できるのは、嬉しい。「明日が 見えなくて」「アイデンティティーがな~い 生まれな~い ララララー」みたいなネガティブ・ワードもみんなで歌うと、「そんなん、どーでもいいじゃん!」て感じになってくる。
Ameba TV向けにサービスか、10周年で思い出の曲をメンバーに尋ね、三日月や白波をちょっぴりギターで演奏。すぐに終わって、みんなで「あ~あ」と抗議するのも楽しい。「僕らはマジョリティーの中のマイノリティー」という表現は、まぁ、自分の立ち位置でもあります。
締めは「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」。余韻の中で踊る感じがいいです。
音楽や演出はもちろん、グリーティングイベントをやったり、ライブを生放送したり、ファンに楽しんでもらうための努力を惜しまないところに感心します。自分でイベントやる時に、見習わなきゃ!
単純に音楽の中で踊るのは楽しいし、若い子と一緒に踊るともっと嬉しい。「今年の納涼会をダンパにしてやろう」と、帰りの電車で妄想したりしてました。

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2016年9月22日 (木)

演劇1、演劇2: 想田和弘 vs 平田オリザ

たまたま本屋で手に取った平田オリザの「わかりあえないことから」が、コミュニケーション教育について示唆に富んでいたため、平田オリザという人物に興味を持ちました。
ググってみると、想田和弘監督が「演劇1、2」というタイトルで、平田オリザのドキュメンタリーを撮っているとのこと。
http://www.engeki12.com/
想田和弘監督といえば、「精神」を撮った監督じゃないですか!溜まっていた楽天ポイントで迷わず購入しました。
1と2を合わせて6時間近い超大作なので、夏休みの宿題として観るつもりでしたが、試しに少しだけ観ると、滅茶苦茶面白い!結局、夏休み前の4日間に、寝る時間を削って全部観てしまいました。
本質的な面白さを感じたのは、演劇という表現形式が、精神療法と同じく、観る者聴く者の感情を動かす方法であるということ。その目的のために、俳優さんたちが血の滲むような努力をしている映像を見せつけられると、自分もやんなきゃという想いが込み上げてきました。
あとは、ワークショップの場面は参考になったし、実家近くに小劇場があることを再認識して、演劇やダンスを観に行ったり。精神科医としては、ロゴスだけじゃなくて、パトスにも通じてないとね。
リアルと虚構の関係についての議論は、小坂井敏晶氏の「社会心理学講義」とも通じるところがあります。

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2015年5月 2日 (土)

新宿の東

東京に行く用事があるときは、これまでに行ったことのない街に宿をとり、そのまわりを歩いてみることにしています。

今日は東新宿に。新宿の西口は行く機会がそこそこありましたが、東側はほぼ未開拓です。

東新宿駅から歌舞伎町、昼間で人通りも多いので安心でしたが、それでも警官は多く、トラブルが多いのでしょう。新宿三丁目、花園神社を通って東新宿にもどり、イーストサイドスクエアhttp://www.shinjuku-eastside-square.jp/index.html に。再開発して建てたオフィスビルみたい。隣には高級賃貸マンションが建っています。40平米の1Rでも月20万円以上、外資の駐在員が多いのでしょうか。

さらに裏道を歩きながら北に行くと、戸山の都営住宅に。木々の茂る中に、古びた団地がそびえる不思議な風景。ツツジと桐の花が咲いていました。1階には商店などが入り、庶民的な街でした。高齢化は進んでいそう。ブラブラ歩いているおじいさんから、「この建物は、排気がいかれていて、勝手に火がつきおる」などと話しかけてこられましたが、表情や話しぶりから推察するに、仕事柄、私がよく会う方々のお仲間なのでしょう。

その隣には国立国際医療センターがそびえています。研修医のマッチングランキングでトップの病院。ついでに、最近話題の東京女子医大が近いので、そちらも見に行きました。こちらはあちこちに建物が分散しており、見るからにまとまりがない感じ。学長を解任したり、特定機能病院を外されること2回目だったり、大変だろうな。

地下鉄で東新宿に戻り、イーストサイドスクエアに入っている大戸屋http://www.ootoya.com/へ。大戸屋は独身時代に時々お世話になっていました。入るのは10年ぶりですが、大きな皿におかずを盛りつけているのが今も変わらず、彩りやボリュームも良く、都心でこのレベルの夕食が1000円以内で食べられるのは安心です。

新宿同様、あまりまとまりのない感想でした。

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2015年4月 9日 (木)

246

最近、当直の夜はYoutubeでサカナクションを観て聴いています。

コード進行はわりとシンプルでアレンジを工夫、詩は独特に世界観があり、映像はかなり凝っています。

「蓮の花」https://www.youtube.com/watch?v=VjpBaiJlJ5I で山口一郎が車を運転しているシーンを観て、2月に東京を旅行した時のことを思い出しました。

1日目は丸の内、皇居をブラブラしたのち、銀座一丁目から日本橋へ。三井、三越の裏に日本銀行があるのを発見し、「ははーん、そんな関係だったのか!」と思いました。そのことをタクシーの運転手さんに話すと、東京駅の東側は三井村、西側は三菱村なんだと教えてくれました。

2日目は東京駅から表参道までタクシーで。この道のりのゴージャスさは日本一でしょう。

皇居の横には警視庁と検察庁、その先には首相官邸も見えます。三宅坂から国道246号となり、国会議事堂と最高裁の間を抜ける、このあたりが日本の三権の中枢なんですね。左手にはひときわ背の高いプルデンシャルタワーが。ここは旧ホテルニュージャパンの敷地だったことを後で知りました。赤坂見附からは青山通りの通称となり、赤坂離宮の横を抜け、明治神宮外苑のイチョウ並木、ホンダや伊藤忠の本社が並ぶオフィス街を抜けて、表参道に到着しました。

表参道では根津美術館、日本庭園の借景は六本木ヒルズです。ヨックモックでのランチはガレット、女子向けの店にしてはボリュームがありました。

10年前に東京に住んでいた時に表参道や銀座には何度も行きましたが、地下鉄で移動していたので、こんな配置になっているのに気づきませんでした。ナビなしで車で都心に行ったら、あまりに複雑で恐ろしく、一度で懲りました。地上をタクシーで移動するメリットを感じます。

「蓮の花」の次は「ユリイカ」https://www.youtube.com/watch?v=NWcdyTljEaQ 女性のヌードの映像の合間に、東京の日常的な光景が短く挿入されています。東京の表の美しさと、裏の猥雑さを、ということでしょうか。

亡き父と東京を旅行したことを思い出します。中学生の私にとっては、薄汚れたヨーロッパの街よりも、バブルを迎え疾走する東京の方がインパクトがありました。赤坂見附に立っていた赤坂プリンスホテルで食べたとろろそばが、やけに美味かったことを覚えています。

3歳の娘は、保育園で「丸の内に行った!」と何度も誇らしげに言っていたそうです。20年後、40年後、娘は今回の旅行のことを覚えているのかな?

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2014年9月21日 (日)

処方薬依存の講演会: 松本俊彦先生

処方薬依存は、医者が作り出しているいわば医原病であり、精神科医は猛省を、という内容でした。耳の痛い話ですが、非常に熱のこもった語り口で、1時間があっという間に過ぎました。以下、その覚え書きを:

・依存症にさせるのは「苦痛の緩和」。気持ちよいから飲むのではない。(行動分析の言葉なら、正の強化ではなく、負の強化)

・覚せい剤依存と比べると、処方薬依存は精神疾患の併存が多い(気分障害、神経症、摂食、パーソナリティ)

・脱法ハーブ使用者は、使用前に精神科を受診し、向精神薬を処方されていることが多い(処方薬がゲイトウェイ・ドラッグ!?)

・自傷・自殺が多い。特に過量服薬。

・処方薬依存を生みやすい医師の処方行動:

1)フライング処方:次の受診日より前に来た患者にも処方を出す。

2)短時間作用型・人気のベンゾを処方:デパスを新規で処方するのは止めよう!

3)無診察の処方

4)アルコール・市販薬歴の看過 (なぜなら、精神科医は依存症が苦手なので、できるだけ見たくない)

・救急医は怒っている!なんで精神科医はODする患者にそんなに薬を出すのか!

1)迅速に診療情報を

2)情報提供をもらったら、必ず返信状を出す。(そうしないと失礼)

3)精神科医の治療プロセスを説明する (マジックがあるわけでなく、粘り強い対応が必要)

4)これを機会に処方を変更する

5)ベゲタミンは禁(自殺既遂や肺炎が多い)

6)それでも、やはり体の手当てはしてもらったほうがよい(後の生命予後が改善)

・薬物依存者は、人に援助を求めるのが下手で、薬に助けを求める。同様に、薬物療法に依存する精神科医は孤立していることが多いので、周りに助けを求めよう!

・「大量服薬したらお断り」よりも、細々とでもつながった方が、予後はよい。

患者さんに、「眠剤を出せ!デパスを出せ!」と言われたときに、どう聞き返しをするか、あらかじめよく考えておかないといけないですね。

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