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2008年10月

2008年10月25日 (土)

外来治療など

今日は思いついたことをまとまりなく書きます。観念奔逸かも。

A) 昨日からとうとう受け持ちの入院患者さんがゼロになってしまいました。初診の患者さんが外来で治療できる方ばかりなので、自然に減ってしまったのです。

病棟に上がらなくていいので、今までなかなか時間をかけられなかった外来を整備しています。診察時間以外も外来カルテを漁っています。

1)あまり順調でない患者さんについては、これまでのカルテをじっくり読み直して、診断の見直し、治療戦略の変更を考えています。

多いのは、「うつ病」の診断で抗うつ薬を投与されながらなかなか改善しない方。先週の神庭先生のお話もあり、躁うつ病の可能性を考え、気分安定薬(炭酸リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン)を積極的に投与しています。

どんな結果が出るでしょうか?

身の回りでは、意欲低下などの「うつ状態」が続いて長年、抗うつ薬を投与されていて、40代とか50代とかになってはっきりした陽性症状が出現したケースが2つありました。統合失調症と考えざるをえないですが、もし、躁うつ病と統合失調症が連続したスペクトラムにあるのなら、気分安定薬を投与していれば予防できたのでしょうか?

2)病院の方針で、同じ処方でほとんど問題なく安定されている方は、家の近くの診療所にどしどし紹介しています。この1週間で20通以上、紹介状を書いたと思います。

3)上記の1と2がある程度進んだら、データをエクセルに打ち込んで整理したいです。

4)私の考える総合病院精神科のミニマムの機能は

ⅰ)トリアージ:精神科受診をためらっている方々のために敷居を低くし、暫定的に診断して適切な医療機関に紹介する。

ⅱ)リエゾン・コンサルテーション:他科で治療を受けておられる方に精神科からのフォロー。緩和ケアも含む。

ⅲ)精神疾患患者さんの身体合併症治療のサポート:精神病院に入院されている方で大きな病気にかかった方の受け入れ。

なのですが、最近は街中にクリニックがたくさんできて敷居も低くなってきていますし、必要性は大幅に減っていると思います。ⅲは病院としてやりたくないようです。ⅱは必要ですが、ニッチの仕事なので評価されにくいです。

現実には、クリニックで診療している先生方が手詰まりになって、「入院治療お願いします」という紹介が多いですね(実際には入院が必要ないことが多い)。そんなわけで、遷延しているうつを診ることが多いです。

B) 株は下がっているし、円高は進んでいるし、激動ですね。

これまでは欲望の回路が、今は恐怖の回路が優位になっているのでしょうか?

欲望っていうのは「エサを食べたい」、恐怖っていうのは「喰われたくない」という本能からきたでしょうか?

余談ですが、2,3日前の日経新聞夕刊で、高安秀樹さんが書いておられた記事で、「ニュートンが偉大な仕事をしていたのは30代までで、その後は錬金術にはまってしまった」とあって大笑いしました。物理学者、ウォール街を往くは昔からあったんですね。

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2008年10月18日 (土)

感情・行動・認知研究会などなど

今日は勤務のない土曜日で、あれこれ動いていました。

1)歯が欠けたので歯医者さんに行ってきました。インターネットで評判の高かった中津にある江上歯科というところです。ちょっとわかりにくい場所にありましたが、先生の対応とか治療は素晴らしかったです。同じ医療者として参考になりました。

2)昼食は梅田の駅前第三ビルにうどんを食べに行きました。(麻酔がかかっていたんで・・・)。「はがくれ」はやはり並んでいました。踊るうどんで肉まいたけ天生じょうゆうどんを頼みました。830円と値段はそこそこしましたが、満足感はありました。生じょうゆ、うどん、すだち、大根おろし、のベースに、まいたけ天と肉がコクを加えて、バランスもいいと思います。

3)久しぶりに大きな本屋へ。薬物療法もだいぶ身に付いてきたので、そろそろ精神療法をきちんと勉強しようといろいろ見て、

境界性パーソナリティ障害の精神療法 日本版治療ガイドラインを目指して   [本]

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を買いました。ニュートラルな姿勢で書かれているような印象でした。

4)感情・行動・認知研究会 明治製菓さんがやっている研究会ですが、薬の宣伝はほとんどなく、基礎研究から精神病理まで多岐に渡っていました。理研の加藤忠史先生や藤田保健衛生大の岩田先生からは、久しぶりにモレキュラーの力ずくっぽい(一実験○○万円かかるとか)お話を伺いました。

あと、神庭先生からは遷延したうつ病では非常に双極性が多いこと、その場合に比較的、多く見られる特徴のお話がありました。私も抗うつ薬の効果が乏しい方はリチウムやバルプロ酸といった気分安定薬を試していて、かなり改善したケースがいくつもあります。"Bipolarity"(双極性っぽさ)というのもなんとなくありそうです。

最近のトレンドとして、双極性感情障害は単極性のうつとは生物学的にかなり隔たりがあり、むしろ統合失調症と関連があるという考えになってきています。薬屋さんの話でも、外国では第二世代の抗精神病薬が双極性感情障害の躁状態だけでなく、うつ状態にも適応を取りつつあるということです。ただ、製薬会社の戦略という側面もあり、鵜呑みにはできませんが。。。

いずれにせよ、診療のクオリティーを上げるためには、新しいことを勉強するとともに、振り返りも必要かな、と感じています。現在は、この半年の間に私が担当した入院患者さんの振り返りを病棟スタッフと行っているところです。それが済んだら、新患や再診の方々についても、順次、検討できれば、と思っています。

また、自分の現在の位置を確認するためにも、研修医向けのマニュアルを作ってもいいかと思っています。

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2008年10月10日 (金)

株価暴落のココロ

金融危機で株価が大暴落しています。アメリカでは投資銀行というビジネスそのものが吹っ飛んでしまいました。かくいう私の資産もピークから2/3になってしまいました(涙)。

それでもめげずに暮らしています。健康で、家族がいて、ちゃんと仕事に行ければ、そこそこ幸せなんだと思います。逆に言えば、資産とは、そうでないときのための保険なのです。

資産ががた減りしても落ち込まないのは、次の二つの要因もあると分析(?)しています。

1)ポートフォリオが確立している: 

フィナンシャル・プランナーのカン・チュンドさんに相談して、自分なりのポートフォリオを作って実現していました。あとはこれを維持すれば良いだけで、いつ、どのアセットに乗り換えるか、とか考えなくて済みます。下手な考え、休むに似たり。

2)相場の底を経験している:

私が本格的に投資を始めたのは、2003年のイラク戦争直前にTOPIX(東証株価指数)のETFにまとまった買いを入れたときでした。このときも悲観一色でしたが、結果的には底で拾うことができました。(もうこれは持っていません)

ま、ぼちぼち行きますか。

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2008年10月 5日 (日)

不機嫌な職場

流行語(?)になった本です。

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書 1926) Book 不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書 1926)

著者:河合 太介,高橋 克徳,永田 稔
販売元:講談社
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この本がベストセラーになったのは、「あ、俺の職場もこんな感じだ!」と共感を持つ人が多かったからでしょう。かくいう私もそうでした。

この本は、問題提起はいいのですが、それを受けた議論として、

1)役割構造の変化:効率化を進めた結果、組織の「のりしろ」がなくなった。自分の仕事で精一杯。

2)仲間に関する「評判」が流通しなくなった。知り合いに対してはいいかげんな態度は取れない、という人間の特性。

3)インセンティブ構造の変化:成果主義により、自分の手柄になること以外には手を出さない。

といった問題に対して、「横のつながりを増やしましょうよ」くらいしか書かれていません。

逆に言えば、人事コンサルタントの能力というのはこの程度なのでしょうか?

私はこの5年間に5つの職場を経験しています。それ以外にも4つの研究室を経験しており、うまく回っている組織、回っていない組織というものを身をもって体験しています。

今は精神科医として個人を相手にしていますが、人間の特性に合わせた、人間がより幸せになるような組織を提案していきたい、という思いが強くなってきています。

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