境界性パーソナリティ障害の精神療法
前々回のエントリで出ていた「境界性パーソナリティ障害の精神療法-日本版治療ガイドラインを目指して」の書評です。
境界性パーソナリティ障害の精神療法 日本版治療ガイドラインを目指して [本]
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編者が成田善弘先生で、名古屋大学精神科人脈で書かれています。症例の紹介もありますが、全体としては「ガイドラインを目指して」と銘打っているだけあって、一般性を目指そうという意図が感じられます。
ボーダーラインの概念の変遷、症状、精神療法、症例検討、アンケート調査、など、バランスよく書かれていると思います。ちょっと物足りなく思えば、巻末の文献を当たればよいわけで、入門書としてはよくできていると思います。
面白かったのは、ボーダーラインに関する論文を書いた著者に対するアンケートで、現在、構造化された個人精神療法を行っている人数を問うたところです。一番多かったのが2~3人で46%、次に0人が20%、4~6人が17%でした。忙しい臨床の中で、一人の精神科医が抱えられるのはそれくらいですよね。
私は構造化された精神療法は臨床心理士の方にお願いしていて、そこにはまらなかった方・好まない方に支持的精神療法もどきをしています。手探りという感じですね。
大量服薬などの行動化があればボーダーラインかと思ってしまいますが、典型的なボーダーラインの患者さんは案外少なくて、原因は境界域の知的障害による生きづらさだったり、幼少時の外傷だったり、けっこうややこしいです。最近は解離する人が多くて、解離中に自傷行為をする人をどう扱えばよいか、実に悩ましいです。



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