« 2009年7月 | トップページ | 2009年9月 »

2009年8月

2009年8月28日 (金)

ストレスについて話してきました

前回にも書いたように、昨日は地域で「ストレスマネジメント」という題で話してきました。一般の方にお話しするのはほぼ初めてなので緊張しましたが、無事、終えることができました。

依頼元は社会福祉協議会(社協)の支部です。社協といっても私もピンと来ないのですが、調べてみると、福祉職の人材養成、権利擁護事業(金銭管理のサポート)、ボランティアのサポートなど幅広い活動をしているようです。

参加されていたのは、地域で民生委員などの「役」をされている方々20名ほどでした。50代、60代の方が多かったように思いました。レジメはこちらです「StressManagement.pdf」をダウンロード 。熱心に聴いていただき、ありがたく思います。

内容は、まずストレス性疾患で受診された方を例に挙げ、主なストレス反応(実際にチェックシートでつけていただく)、認知療法のストレスモデル、ストレスへの対処法3つについてお話ししました。

取り上げた症例は、仕事と家事・育児の板挟みになっておられる女性でした。今回参加されていた女性は、ほぼ全員、仕事をされていたそうで、以前は同じような悩みを持っていた、と共感していただきました。

いくつか感想を

・聞き手の姿勢は話し手にもよく伝わる。熱心に聴いてもらえると、冗談が口をついて出てきたりして、良いサイクルに入る。

・逆に、小声でも私語があるとやりにくい。常に耳からのフィードバックを行っているのだろう。

・レジメは簡潔にして、適宜、黒板に板書するというやり方は悪くない。パワーポイントを使うと、話し手がパワーポイントを読み上げ(その方が楽である)、聞き手がパワーポイントを読む、というスタンスになってしまう。

・「地域との連携」と期待するなら、やはり病院を出て地域を歩くことも必要

・「ストレス」とか「うつ」とかいくつかネタを持っておくと、再利用できて便利。

これは余談ですが、前回のエントリに書いたOpenOfficeは思ったほどWordとの互換性がよろしくなく、しばらくはWordに頼らざるを得ないようです。

後日談: 2ヶ月ほど経ってから、うちの病院の看護婦さんに、「先生、地域で話しをしてきたん?オバさんたちに好評だったそうよ」と言われました。病院の近くに住んでいる人も多いので、風評が聞こえてくるようです。気が抜けないですなぁ

| | コメント (0)

2009年8月26日 (水)

精神科病院でのお仕事と

精神科病院に勤め始めて5ヶ月が経とうとしています。

一番変わったことといえば月3~4回の当直をするようになったことです。幸い、これまでは急変などの大きなトラブルに当たることなく、夜も寝られていますが、当直日誌を見るとヒヤヒヤするようなこともけっこう書いてあります。

慢性期の統合失調症の患者さんとのつきあいにも慣れてきました。長期入院の方は変化に乏しく、目標設定も難しいのですが、5%、10%の改善を目指して細かな努力をしています。ただ、我流でやっているので、理論的な裏付けも必要だと感じています。統合失調症にも認知療法を適用しようという流れもあるので、勉強していきたいと思います。

妄想が続いている方も多いですが、より大きな問題は、認知機能の低下と施設症(長期入院で自立心が失われていく)です。それに加えて、高齢化に伴う身体合併症がもう一つの問題です。

今後10年でさらに高齢化が進み、その方々が亡くなってようやく精神科の入院が減少する、という流れなのでしょうか。そうなると、精神科病院でやりがいを感じながら仕事をしていく、というのは難しいかもしれません。その時々でテーマを持って取り組んでいく必要があると思います。

「人前で話す」ということも始めています。明日は地域でストレスの話(レジメはこちら「20090827.odt」をダウンロード )、来月はデイケア参加者を対象に認知療法の話をするつもりです。きちんと本を読んで頭を整理する良い機会だと思います。もう少し先には症例発表もすることになると思います。

余談ですが、上のレジメのファイルはWordでなくOpenOfficeというソフトで作りました。無料で、Wordとも互換性があるほか、USBメモリにソフトを入れておくとどのパソコンでも使えるそうです(まだ試していませんが)。病院で使用している共用のコンピュータにパワーポイントが入ってなかったりするのと、コンピュータを新しく買う度にパワーポイントにお金を払うのがうっとうしいのも、OpenOfficeを試している理由です。Vistaのダメっぷりを見ると、マイクロソフトの将来は暗いと思います。

| | コメント (0)

2009年8月 9日 (日)

認知行動療法の研修会

先日の井上先生のセミナーで認知行動療法に対する興味が湧いてきて、大阪での認知行動療法研修会に行ってきました。講師は原田誠一先生で、前の職場の同僚が先生のスーパービジョンに参加させてもらっていたそうです。いくつも本を出しておられます。

統合失調症の治療―理解・援助・予防の新たな視点 Book 統合失調症の治療―理解・援助・予防の新たな視点

著者:原田 誠一
販売元:金剛出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

強迫性障害治療ハンドブック Book 強迫性障害治療ハンドブック

著者:原田 誠一
販売元:金剛出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

精神療法の工夫と楽しみ Book 精神療法の工夫と楽しみ

著者:原田 誠一
販売元:金剛出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

場所は谷町六丁目です。いつもながら、京都から大阪に行くときはちょっとした違和感を感じます。参加者の構成はわかりませんが、医師を含め心理士以外の方もかなり参加されていたようです。男性が多いのが意外でした。

研修会の構成としては、原田先生の不安障害の講義、不安障害の症例検討、うつ病の講義、うつ病の症例検討の4部構成でしたが、私は当直があるためうつ病の症例検討は中座しました。

不安障害の講義は、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害、その他(外傷性精神障害、解離性障害)と盛りだくさんだったので、途中からかなり駆け足になっておられました。とはいえ、原田先生が得意とされている強迫性障害については、多くの症例を挙げてよく説明されていました。オーソドックスな手法に加え、強迫に関しては心理教育と情報提供を、パニックに関しては生活(史)の振り返りを、重視されているようでした。

生活の振り返りにおいて、家族との葛藤のケースがいくつもあり、フロアから「力動精神医学の素養は必要でしょうか?」という質問があり、それは治療者のバックグラウンドによってバリエーションがあってもいい、という回答でした。

うつ病の精神療法は、笠原先生のうつ病に対する小精神療法の延長と考えておられるような感じがしました。薬と休養ですんなり治らない要素として、「戻るべき生活の場がない」「強い慢性葛藤状況がある」「人格障害がある」と3つを挙げておられました。

生活の場を取り戻す例として、資格試験に落ち続けてうつ状態が悪化し、従来の知識を生かせる職に就いたケース、諦めていた芸術の道に再挑戦したケースを挙げられていました。

「葛藤と人格障害についてはどうでしょうか?」と質問したところ、葛藤については今日の講義の中で出ていた症例をいくつか挙げられました。前述のように、力動精神医学的なアプローチをされているようです。

また、人格障害については(ありがたいことに)追加で10分余りの講義をしていただきました。上にあげた「精神療法の工夫と楽しみ」にも書かれていることですが、直に説明していただくと頭に入りやすかったです。

臨床心理士が出されていた不安障害の症例検討は、非常にうまくいったケースだったため、あまり議論が出ず面白く(?)なかったです。

原田先生についての印象として、

・認知行動療法を、たくさん持っておられる道具のうちの一つとして、他の手法と組み合わせて使っておられる。

・逆にいえば、いつも必ず認知行動療法で押すというわけではない。

・そんなふうに融通をきかせられるのは、引き出しがいろいろあるから。

という感じです。その点、原田先生がときどき口にされていた神田橋先生に通ずるところがあります。

認知行動療法を勉強していると、うつ病・不安障害に対して薬は症状を「棚上げ」するだけで、やはり「何か」が変わらないと「完治」しないのだ、という気になります。その「何か」は生活環境であったり、人間関係だったり、思考パターンであったりします。精神科医あるいは心理士の仕事は患者さんがその「何か」を見出し解決するのを手助けすることなのでしょう。

精神科医が外来で構造化された認知行動療法をするのは時間的に難しいと思います。そのため、認知行動療法「的」な考え方を身につけ、従来の診察に付け加えていくのが実践的でしょう。幸い、今は外来が忙しくないので、患者さんが賛成してくれたら9月あたりから試してみようかと思います。

| | コメント (0)

2009年8月 8日 (土)

映画 ”精神”

最近、公開された映画”精神”を観に行ってきました。「福祉ネットワーク」で紹介されていて、興味深く思いました。「こらーる岡山」という精神科の診療所を舞台にしたドキュメンタリー映画です。

日曜の午後ということで、100席ほとんど埋まっていました。平日に観に行った同僚によると、平日でもそこそこ入っていたそうです。どんな方が見に来ていたのかわかりませんが、当事者、家族、ケースワーカー、福祉系の学生あたりが来ていたのでしょうか。

まず何より特徴的なのは、患者さんがモザイクなく素顔で写っているところです。もちろん、それを許可してくれた患者さんだけ撮っています。「被写体にモザイクをかけると、偏見やタブーをかえって助長する」という監督の試みは成功したと思います。私の目から見ると、統合失調症の方が多いようでした。

「昨日、大量服薬をしてしまった」「生活保護がおりるまでの間、体を売って生活していた」といったことを話しておられる方もいます。泣いている子供の口をふさいで殺してしまった、と話す女性もいます。

こうした話は、普通の人にとってはショッキングなのかもしれませんが、精神科医にとってはそんなに珍しい話ではありません。まあ、普通の人がこんな映画を見に来るとは思えませんが。。。

場面は、診察室、待合室、作業所、デイケア、地域、など多岐に渡っており、「こらーる岡山」がゆったりした時間と空間を提供し、地域に根付いている様子がしっかりうかがえます。

そうしたゆったりした時間と空間は、精神疾患の患者さんにとっては最も大事なものです。それが故に、映画としては間延びした感があり、途中でかなり眠くなってしまいました。

私の勤めている病院が目指しているのも同じ方向であり、いずれ地域の方々にこの映画を観ていただいて、精神障害者の方々はこんなかんじの人々なんだ、という実感を持っていただければいいのでは、と思いました。

| | コメント (0)

2009年8月 7日 (金)

バンガード・トータル・ワールド・ストック・マーケットETFのチャート

バンガード・トータル・ワールド・ストック・マーケットETFのチャートをリンクに加えました。世界経済の体温計みたいで、ちょっと嬉しいです。去年の8月にできたので、それ以降のデータしかありませんが。

これでみると、今年の3月に底を打ったようです。

| | コメント (0)

« 2009年7月 | トップページ | 2009年9月 »