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2009年11月 7日 (土)

なぜ認知行動療法に興味を持っているか?

流行だから、というのは否定できませんが・・・

今まで読んだ論文の中で最も印象に残っているのは、、大学院2年目に出会った Michael Merznich Paula Tallal の論文でした。これは、言語学習障害の原因は子音の弁別が困難である(たとえばbaとpaの区別が困難)ことだと突き止め、コンピュータゲームを用いたトレーニング(学習)で改善しようという試みです(注1)。研究室の文献紹介でこの論文を取り上げたとき、予想もしなかったほどすごくウケたのを覚えています。

その理由として、神経可塑性の応用についての好例であること、コンピュータゲームに興じながら学習を進めている子どもたちの映像のインパクトがすごいこと、の二点にあると思っていました。(その動画はSupporting Online Materialにありましたが、残念ながら今は削除されてしまっています。プログラムのデモ版はこちらのサイトのDemoというタブにあります)

今日、行動療法の研修会に参加し、見過ごしていた点にようやく気づきました。

表面的には楽しくコンピュータゲームに取り組んでいるように見えるのですが、実際には学習理論に基づく行動療法そのものなのでした。思い起こせば、易しい課題からスタートして、正解率があるレベルに達したらもう少し難しくする(スモールステップの法則)、正答したら得点が増えていく・かわいらしいキャラクターを出す、など報酬を与える、といった手法をしっかり使っています。

精神科でよく言われている Bio-Psycho-Socialという三つのレベルで整理すると、脳の可塑性--(認知)行動療法による学習・再学習--生活上の困難の克服・社会への適応、となります(注2)。今思うと、その3つのレベルを結ぶ試みとして、非常にエキサイティングに感じたのだと思います。(認知)行動療法一般についても、全く同じことがいえるのです。

こうして、11年前(注3)に出会った論文の面白さと、現在、興味を持って学んでいることがつながったのでした。

私は心理学はずぶの素人ですが、さまざまな学習についてシナプス・神経回路レベルで想像(妄想?)することはできます。より効果的な方法を編み出せるかもしれません。ワクワクしますね。

遺伝子で決まっています、という話もクリアカットでいいけれども、人生をいい方に変えられるんだという方が、私には夢があっていいですね。

(注1)学習の話はMerznichの論文のポイントでした。

一方、Tallalの論文のポイントは子音の弁別の問題です。言語学習障害という、一見、高次機能の障害に思えるものが、子音の弁別という、比較的、低次の問題(せいぜい二次聴覚野?)に帰着できる、というのです。

baとpaの弁別というと、ソシュールの言語理論を思い出しますね。日本人なら、rとlの弁別が問題かな?

(注2)今年度に入って心理療法に興味を持ちはじめたのは、Bio-Psycho-Social でいえばBio-にあたる薬の使い方が、4年目にして大まかに掴めたからかもしれません。あいかわらず、単純なコトからより複雑なコトに興味が移りつつも、ジャンプはできない私です。

(注3)そのころ私が大学院で取り組んでいた(そして手が届かなかった)研究は、私が始めてから12年後の今年、nature article & letter として別のグループから発表されました。やはり4,5年では無理なテーマでした。

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コメント

気分障害のため、休日をいいことに、ふて寝しています。

たまにパニック発作があると、ニトログリセリン薬を使っています。

成分がニトログリセリンの、心臓痛対処のため循環器科から処方されたスプレー状の外用薬は、心臓への血管を広げる効果があります。

これがまた、強い薬です。

パニック障害の発作や、うつ状態に対応する薬とは全く系統が異なります。

投稿: TheBeach | 2009年11月 1日 (日) 01時13分

パニック発作だけであればニトログリセリンは処方しないはずです。循環器科で狭心症を否定しきれないのでしょう。

投稿: HZ | 2009年11月 1日 (日) 11時22分

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