国語力
もうすぐ、国立大学の2次試験があります。
私が試験を受けてから20年以上の月日が流れました。私は数学が最も得意で、英語と理科はまずまず、国語は苦手でした。大学に入ってからは数学を使うことはなく(論理力は役に立っていると思いたいですが)、英語は研究をやっていく上で必要に迫られて勉強しました。
臨床医に転向してから最も必要となったのは国語力です。患者さんの言ったことをカルテにまとめて書く、サマリー・紹介状・診断書を書く、といったことが日常業務のかなりの割合を占めます。
最初はもちろん苦労しましたが、その後、指定医や専門医のレポートを書くとき、翻訳の仕事が回ってきたときなど、新しい機会に出会うたびに、自分の国語力のなさを思い知らされます。
ただ、適切な語彙を選ぶ、文の校正を考える、といった純粋な国語力の問題だけではなさそうです。やはり、文章が書けないときは、理解が十分でないことが多いのです。言葉で言い表そうとすると、きちんと理解できていないことを思い知らされて、気が滅入ります。これは、医療面接を録音して、テープ起こしをするときも、同じように感じます。
ごく最近、「これは大事だ!」という英語の文章に出会った時に、日本語に訳してみると理解が深まり、翻訳の意義を感じました。
国語とか音楽とか、昔は苦手だった科目の中に、自分を伸ばす芽が隠れているのかもしれません。
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