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2021年2月

2021年2月21日 (日)

「ふつう」をデザインする

ここ3か月ほど、デザインの本をよく読んでいます。

山口周 ニュータイプの時代

原研哉 デザインのデザイン

いろいろ読んでいると、私が今やろうとしていることは、デザインすることなのだと気づきました。何をデザインしているかというと・・・というのは後ほど。。

特にインパクトがあったのは、「新美の巨人たち」(テレビ東京)という番組のマルニ木工&深澤直人「Hiroshima」という椅子を取り上げた番組

https://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/index.html?trgt=20201121

地方にある経営の傾いた木工会社が、デザイナーの協力を得て、すぐれた椅子を完成させ、あのアップルにも大量に納入されるというサクセスストーリー

虚飾を排し、無駄をそぎ落とした美しさ、それに座り心地の良さを兼ね備えた椅子をデザインしたのが、プロダクト・デザイナーの深澤直人さんです。

深澤直人さんの著書「ふつう」「デザインの輪郭」を読むと、じつはIDEOから独立した著名なデザイナーでアップルのクリエイティブ・ディレクターとも親交がある人でした。

「ふつう」を突き詰めた「スーパーノーマル」とは、じつは概念の中心でありながら、すぐには見えてこないものです。平凡ではなく美しさ、それもこれ見よがしの美しさではなく、日常生活に収まる美しさや喜びを備えているのが条件です。それを深澤氏は狂気をもって追究しておられるようでした。

深澤氏は無印のデザインや開発に携わっておられたり、日本民芸館の館長をされたり、というのも納得がいきます。

最近も、NHKのデザイントークス+という番組に出演されていました。https://www.nhk.jp/p/ts/E1XN86K6YE/episode/te/9QXXMN84PQ/

Hiroshimaの次の世代の椅子として、Takoという椅子を作られたそうです。欲しいなあ!

https://webshop.maruni.com/fs/maruni/c/tako

 

私がずいぶん昔から考えているのは、「スーパーノーマルな医療とは?」ということです。もちろん凡庸ではなく、やるべきことを、過不足なく遂行するというイメージ。精神科医の場合、薬はガイドラインがあるとして、「ふつうの精神療法」とは?という疑問をここ10年くらい考えてきました。

それを視覚化し、誰にも提供できる体制をデザインする、というのが、今、書こうとしていることです。

 

 

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