家族の心配より患者の気持ち
2023年3月21日 日経新聞朝刊 28面 医療・健康欄
写真家の幡野広志さんという方が、興味深い体験談を書いておられます。
癌になると、周囲からたくさんの人がお見舞いの電話を掛けてくる。
だいたい電話をかけてくる側が、自分の病気か家族の病気を話し、病気になった人が話を聴く立場になる。
詐欺まがいなインチキ医療を紹介してくる。
宗教の勧誘が押し寄せる。
「癌」という漢字のように、たくさんの口が山ほど押し寄せてくる病気のように感じられる。
結果として、電話番号を解約し、インチキ医療を紹介する人と縁を切り、親とも縁を切ったと。
人生が有限であることを突きつけられ、何に価値を置くかを問い直した結果の行為なのでしょう。
似た悩みをお持ちのがん患者さんとお会いしていたので、ストンと腑に落ちた気がしました。
最近のコメント