映画 ”精神”
最近、公開された映画”精神”を観に行ってきました。「福祉ネットワーク」で紹介されていて、興味深く思いました。「こらーる岡山」という精神科の診療所を舞台にしたドキュメンタリー映画です。
日曜の午後ということで、100席ほとんど埋まっていました。平日に観に行った同僚によると、平日でもそこそこ入っていたそうです。どんな方が見に来ていたのかわかりませんが、当事者、家族、ケースワーカー、福祉系の学生あたりが来ていたのでしょうか。
まず何より特徴的なのは、患者さんがモザイクなく素顔で写っているところです。もちろん、それを許可してくれた患者さんだけ撮っています。「被写体にモザイクをかけると、偏見やタブーをかえって助長する」という監督の試みは成功したと思います。私の目から見ると、統合失調症の方が多いようでした。
「昨日、大量服薬をしてしまった」「生活保護がおりるまでの間、体を売って生活していた」といったことを話しておられる方もいます。泣いている子供の口をふさいで殺してしまった、と話す女性もいます。
こうした話は、普通の人にとってはショッキングなのかもしれませんが、精神科医にとってはそんなに珍しい話ではありません。まあ、普通の人がこんな映画を見に来るとは思えませんが。。。
場面は、診察室、待合室、作業所、デイケア、地域、など多岐に渡っており、「こらーる岡山」がゆったりした時間と空間を提供し、地域に根付いている様子がしっかりうかがえます。
そうしたゆったりした時間と空間は、精神疾患の患者さんにとっては最も大事なものです。それが故に、映画としては間延びした感があり、途中でかなり眠くなってしまいました。
私の勤めている病院が目指しているのも同じ方向であり、いずれ地域の方々にこの映画を観ていただいて、精神障害者の方々はこんなかんじの人々なんだ、という実感を持っていただければいいのでは、と思いました。

最近のコメント