拝啓 木村 剛 様
「投資戦略の発想法」を旧版から愛読させていただいています。また、「木村剛の投資家入門」もインターネットで毎週、拝見いたしておりました。この度、感謝も込めて感想をお送りさせていただきます。
4年前、大学院を卒業して仕事に就くことになりました。それと前後して父を病気で亡くし、少なからぬ遺産を受け取ることになりました。そんな中、「お金」の扱いにとまどっていたところに出会ったのが「投資戦略の発想法」でした。
理系の研究職なので論理に親しんでいたのですが、この本はきわめてロジカルで説得力がありました。それまでは資産がいくらあるのか分からないまま、場当たり的に株や投信を買っていたのですが、下がったまま塩漬けになっていて、どれくらい損が出たか把握できていませんでした。
そこで、まずは資産と支出を把握し、どれだけ投資にまわすか決めました。次に、この本で紹介されていた「敗者のゲーム」や「ウォール街のランダム・ウォーカー」などを読んで資産運用のロジックを学び、アセット・アロケーションと投資先の金融商品を考えました。おかげで、この3年間に年率10%以上で資産を運用することができ、それ以上に「お金」に関して「骨太のプラン」を作り実践することの威力を実感したのが大きな収穫です。その基礎になったのがこの本でした。
この3年で状況も大きく変わりました。金融危機やイラク戦争で弱気一色の株式市場が、今や東証がパンクするほどの株ブームになりました。インターネットで情報収集が楽になり、金融商品をネット証券・ネット銀行で簡単に売買できるようになりました。中国株など金融商品の選択の幅も広がりました。あふれんばかりの情報の中、「投資戦略の発想法」がこれからも多くの人の道しるべとなることを祈ってやみません。
この本がよりよい道しるべとなるために、二つの要望があります。一つは、参考文献の項を復活していただきたいのです。この本はあくまで入門書であり、本格的に実践に移るにはさらなる学習が必要だと感じます。もう一点は、アセット・アロケーションが非常に重要であるならもっと充実した解説があってよいのではないでしょうか。たとえば各アセットクラスの過去のリターンとリスクのデータを示すとか、代表的な機関投資家の資産運用のデータを示していただけると参考になります。国内株式六割、国債三割、外貨預金一割、という例はちょっといただけません。
あと、これは感想ですが、新版になって漫画や付録が付きましたが、それでとっつきやすくなったような気もしません。むしろ、旧版の方がエッセンスが凝縮されていて私は好きです。理系人間で簡潔な文体を好むからかもしれませんが。
では、今後もブログなどを参考にさせていただきます。さらなるご活躍を祈っております。
敬具
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